2013年度 流通BMS普及推進説明会-標準順守を推進し、新たな標準化へ- Page2

2014.2.24

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 流通BMSの認知度は確実に高まり、導入も順調に進んでいるが「標準外利用」という新たな課題も見えてきた。そこで、流通BMS協議会では、2014年1月31日の東京を皮切りに、名古屋、大阪の3都市において、流通BMS普及推進説明会を開催。「標準順守を推進し、新たな標準化へ」と題して、流通BMSの最新普及状況の報告、標準順守のための事例解説、標準運用に向けた変更要求(チェンジリクエスト)提出の3つに関する講演が行われた(以下は、東京開催の講演を元に作成)。

 

「出荷開始型モデルの標準化」と「納品明細書の標準化」 -流通BMSの標準運用への提案-

 続いて、卸売業者とITベンダーで構成される「情報志向型卸売業研究会(卸研)」の研究委員会座長で、国分株式会社の情報システム部長を務める高波圭介氏が、卸売業から見た流通BMSの標準運用への提案を行った。

 

 卸研の研究委員会では、毎年テーマを決めて研究活動を行っているが、13年度は「流通BMSの標準運用」をテーマに定め、提案と啓蒙を中心に研究を進めている。その背景について高波氏は「流通BMSの導入が進む中、オフライン(電話・FAX)での対応や、個別の納品帳票の出力など、標準外での利用が目立っている。個別対応は、システム開発や運用で余計なコスト増を招いてしまうため、各社の状況を調査しながら、具体的な内容を検討することにした」と説明した。

 

 研究に先立ち、卸研に参加する17社(小売業の流通BMS対応企業延数355社)に対してアンケート調査を実施したところ、次のような結果が得られたと言う。

 

 まず、オフライン分の受注・出荷については、小売業からの発注に対して出荷データを送り返している314社のうち、64社(20%)はオフライン分の出荷データの「作成」まで求められていた。高波氏は「流通BMSは発注からのオンライン化が前提だが、特売や追加発注などで電話やFAXによるオフライン受注は、これからも取引形態として残り続けていく。ここを効率化するためには、オフライン受注の出荷データを標準化しなければならない」という認識を示した。

 

 一方、伝票・納品明細書の出力状況については、全体の約半数(45%)で複写紙の伝票や紙の明細書が依然として使われていた。「小売業では店舗の検品用、卸売業は受領の証憑として必要という理由から納品明細書を2枚以上出力し、1枚を納品時に添付、受領印が押された1枚を卸側に戻すという運用が行われている」と高波氏は説明する。

 

 以上の調査結果を受けて卸研では、日本加工食品卸協会と全国化粧品日用品卸連合会とともに、①「電話・FAX発注から始まる出荷開始型モデルに対する出荷メッセージの標準化」と、②「帳票レイアウトを定義した納品明細書の標準化」に関して、チェンジリクエスト提出のための共同検討を開始。日本スーパーマーケット協会など流通団体の意見を確認したうえで、13年12月に流通BMS協議会にチェンジリクエストを共同提出した。

 

 提案のポイントについて高波氏は「出荷開始型モデルの出荷メッセージとして新たに項目を定義することで電話・FAX発注の運用を標準化し、オンライン発注と同様に受領メッセージの運用と伝票の廃止を視野に入れることにある。伝票・納品明細書の標準化についても、個別仕様の開発・運用負荷を軽減し、コスト削減に貢献していく」と語った。

 

 チェンジリクエストに基づいて作成された新しい運用ガイドラインは、14年2月には流通BMS協議会のメッセージメンテナンス部会で討議され、承認後に出荷開始型モデルと納品明細書の標準化が実現する見込みだ。高波氏は「是非認可されることを期待している」と語って講演を終えた。