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流通に携わる企業間のEDI取引(電子商取引)の促進により、流通サプライチェーンの全体最適化を実現するために流通システム標準化事業で策定された「流通ビジネスメッセージ標準(流通BMS)」は、平成21年度以降、経済産業省から「流通システム標準普及推進協議会」が維持・運営にあたり、さらなる普及に動き始めている。
平成21年10月には「流通BMS 基本形 Ver.1.3」がリリースされるなど、流通ビジネス標準化の動きが活発化する中、平成21年度の成果と現状の報告と、今後の普及拡大を目指す「流通BMSフォーラム&ソリューションEXPO」がこのほど開催された。ここでは「流通BMSの現状と展望 〜流通BMS導入実態調査〜」をテーマにしたパネルディスカッションの模様を紹介する。
流通BMSの認知度向上と普及促進を目的にした「流通BMSフォーラム&ソリューションEXPO」は、2009年11月11日、東京のベルサール六本木で開催された。
会場には約400名が集まり、活動報告や導入ユーザー事例などの紹介を熱心に聞き入った。プログラムの一つであるパネルディスカッション「流通BMSの現状と展望 〜流通BMS導入実態調査〜」では、株式会社菱食の稲垣登志男氏がコーディネーターを務め、流通BMSに関するアンケート調査結果をもとに、流通BMSの普及に向けた課題や取り組みに関する意見が各小売業界を代表するパネリストから発表された。
パネリストは、スーパー業界からシジシージャパンの草留正樹氏、チェーンドラッグストア業界からニュードラッグの染谷信雄氏、ホームセンター業界からコメリの小林禎氏、百貨店業界から燗屋の佐治幹夫氏に、経済産業省の下垣広輝氏を加え、5名が顔を揃えた。
ディスカッションのテーマは、「流通BMSの現状と展望 〜流通BMS導入実態調査〜」。正会員団体所属の会員企業を対象に、流通BMSの導入状況や導入予定、導入の課題などを調査し、小売業732社から138社の有効回答、卸・メーカー962社から226社の有効回答が得られている。ディスカッションでは、調査結果の「流通BMSの導入状況」と「時期未定・導入のつもりなしの回答理由」についてパネリストが答えていった。
まず、先陣を切って、小売業界における流通BMSの導入状況について、シジシージャパンの草留氏が、「導入済みが約15%、導入予定が6%、導入を検討しているが38%と約60%が導入を予定している。当社でも、昨年度は1社、今年度は10社以上の加入企業が導入。半年の準備期間がかかることを考慮してもこの数字は評価できる。『流通BMS 基本形 Ver.1.3』などによって、来年度は加速度が増す」と順調に拡大していることを解説した。
続いて、百貨店業界を代表して燗屋の佐治氏が、平成18年度から3年にわたって百貨店業界の流通システム標準化を図った取り組みや共同実証による成果を報告し、「百貨店業界において、平成21年度は仕組みを作るから利用拡大の年へ」と飛躍の年になることを強調した。また、同社の流通BMSの取り組みについても、「BMSの拡大を図り、仕入れをここ数年のうちにすべて電子化したい」と抱負を述べた。
チェーンドラッグストア業界代表のニュードラッグの染谷氏は、48年ぶりに改正された薬事法改正のトピックを取り上げ、EDIの共同実証と薬事法に対応するために医薬品のデータベース化を構築したことを紹介。さらに、「チェーンドラッグストア業界は、薬事法改正や来年の六年制の薬剤師実習がスタートするなど逆風もあるが、今後はメーカーや卸と、できるだけ手数をかけないEDI化を図りたい」と抱負を語った。
ホームセンター業界を代表して取り組みを紹介したコメリの小林氏は、「導入済みの企業はまだ少ないものの、業界全体としては対応を予定している企業が数社控えている。DIY協会としても活動は活発に行っており、今後普及が進む」と語り、「当社でも数社と流通BMSで接続し、支払、請求を行っている。加盟店の数社が対応を検討している」と導入が進んでいることをアピールした。最後に、コーディネーターである菱食の稲垣氏が卸・メーカーの導入状況について、導入が進む一方で、「卸・メーカーは小売業の動向を見て判断している」と問題点を上げた。
こうした各業界の動向を受け、経済産業省の下垣氏は、「官から民へ、流通システム標準化事業を流通システム標準普及推進協議会にうまくバトンタッチできた。システム構築から普及に向けて、今後は主催者ではなく側面から支援を行っていきたい」と述べ、各パネリストから導入状況と各業界の取り組み、今後の抱負が披露された。
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