2012年12月の完全移行まであとわずか イオングループにおける流通BMSの全国展開とは

2012.8.21

イオンアイビス株式会社
システム開発本部
本部長

北澤 清 氏

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 JCA手順から流通BMSへの移行完了期限を2012年12月末までと宣言しているイオングループ。日本全国に展開する国内大手の流通企業グループだけに、業界からの注目度も高い。
 タイムリミットが刻々と迫る中、現在の導入状況はどうなのか? 対応できない取引先はどうなってしまうのか? 数々の疑問を明らかにすると共に、流通BMSへの完全移行を急ぐイオングループの狙いを探った。

イオングループが先陣を切ることで流通BMSの全国展開をサポート

 イオングループが、12年12月末日までに流通BMSへの移行を完了すると宣言した背景には、早期サプライチェーンの全体最適化を推進する狙いがあった。イオンアイビス システム開発本部 本部長の北澤清氏は、移行完了日を定めた理由を次のように明かす。

「流通BMSはすでにサプライチェーンの標準として定着しつつあり、製配販各社はデータの送受信時間の短縮や伝票レスなどで、導入のメリットを享受しています。このような中、11年5月に開催された「製・配・販連携フォーラム」で、イオングループ10社が流通BMS導入宣言を行ったことが大きなきっかけとなりました」。

 

 導入宣言を行った49社の中で、イオングループが占める割合は高い。さらに「製・配・販連携協議会」の流通BMSワーキンググループにおいて、グループの中核企業であるイオンリテールがリーダー企業の1社として参画したこともあり、流通業界の中で率先して導入を進めていく思いがあった。

「イオングループの店舗は、北海道から沖縄まで全国におよんでおり、それぞれの企業が移行期限を明確に定めて導入を推進することで、全国の小売業の背中を後押しできると思っています。」(北澤氏)

 

 期限まで残り4カ月に迫った12年8月時点の導入実績は、約3000社の取引先のうち、本番稼働が約1300社で、移行中・テスト中も合わせると約2000社が流通BMSに対応済みだ。残り1000社のうち、期限までの移行計画を明らかにしている取引先は約600社に達し、残りの約400社は現時点で対応を明らかにしていない。ただし、現実的には大手の取引先については一部移行途上の取引先があるものの、ほぼ計画通りに進捗しており、未導入は地方の取引先や、取引量が少ない企業が大半だという。北澤氏は「導入計画を明らかにしていない取引先に対しては、導入宣言しているグループ各社の商品部を通して継続的にアプローチをかけ、期限までに対応していただくように呼びかけています」と説明する。

 

 では、12年12月末の期限までに対応が間に合わなかった場合はどうなるのか。事前の計画では、13年1月でJCA手順のEDIシステムを廃止し、FAX(発注)や手書請求などへの移行をお願いするとしているが、現段階でもその方針に変わりはない。

「導入が間に合わなかったといった理由で猶予することは考えていません。ただし、導入に取り組み始めたものの、期限までにテストが終わらないといった場合には、取引先に影響を与えないレベルで対応する可能性はあります」(北澤氏)