【SCSK】ファミリーストアさとう タブレット(iPad)を使ったスマクラを導入し 増大していた手書き伝票の入力を8割削減 Page3

2014.2.07

株式会社ファミリーストアさとう
代表取締役 社長

佐藤 祐介 氏

佐藤 祐介 氏

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 岐阜県高山市で5店舗の食品スーパーを展開するファミリーストアさとう。地域に愛されるご当地スーパーとして飛騨の特産品を数多く揃え、地元住民の食生活を支えている。同社はそれまでほとんどの受発注を手書き伝票で行ってきたが、新店舗の出店で入力作業に限界を感じた。
 そこで、2013年よりスマクラの導入を開始し、流通BMSへの切り替えを進めている。スマクラ導入に至る経緯と今後の取り組みについて、代表取締役社長の佐藤祐介氏に話を聞いた。また、サービスの提供事業者であるSCSKの江南哲氏には、その概要について語ってもらった。

 

iPadを活用して当日発注・当日納品の出荷データを納品時に入力

 14年1月からは、第3ステップとしてEDI化の本丸で、手書き伝票削減のターゲットでもある「ルートセールス型」の取引先のEDI化に取り組んでいる。対象となる取引先は全取引先の3分の1にあたる約40社で、14年3月1日からの本稼働を目指す。佐藤氏はファミリーストアさとうにおけるEDI化のカギは、ルートセールス型の対応にかかっていると言い、並々ならぬ意気込みを見せる。

「飛騨のスーパーマーケットとして、地元の食文化の伝え、文化の発展に貢献していくためには、地場のメーカーの協力が欠かせません。飛騨らしさを作るパワーの源は、ルートセールスで魅力ある商品を持ってきてくださるお取引先様。昔ながらの形態が今もなお残っているからこそ、大手スーパーにない地域の個性を打ち出すことができ、店舗の活性化につながっているのです。そのためにも、飛騨の流通の個性を生かしながらシステム化し、お取引先様と目標を共有化していきたいと思います」

 

 ルートセールス型のEDIを実現するために同社が採用したのが、手書き伝票の代わりにタブレット端末(iPad)を使って出荷データを入力する「スマクラ for Web(ルートセールス版)」だ。取引先は、当日納品で店舗の棚に商品を陳列する際に、その場でiPadを使って納品入力を行うだけでよい。これによって現行の業務フローを変えることなく出荷のデータ化が実現し、紙の伝票が削減できるというわけだ。

 

 店頭ではあらかじめ設定した「よく使う商品リスト」から商品名を選択し、納品数量を入力するだけでよく、納品担当者には過度の負担はかからない。納品明細書が必要であれば、店舗に設置したプリンターから印刷し、その場で受領印を受け取ることも可能だ。佐藤氏は「データ化によってお取引先様においても伝票処理が効率化されます。さらに蓄積したデータを使って過去の売上分析も可能となり、より緻密な生産・販売計画を立てることにもつながるでしょう」と強調する。

 

 iPad端末は、各店舗に2台用意して取引先に貸し出す予定だが、毎日のように店頭納品が発生するようであれば、取引先が独自に用意したタブレットや個人の端末を利用しても構わない。タブレットの導入に際しては、操作に慣れない取引先に負担をかけないように最大限の配慮をしてメニューを開発した。

「iPadの操作説明には難しい流通用語やIT用語はいっさい使っていません。できるだけ平易な表現を使って、誰でも簡単に操作できるようにしました。また、各店舗にはお取引先様をよく知るサポートスタッフを2名以上置き、使い方がわからない場合にはサポートを行う万全の体制を整えています」(佐藤氏)

 

 

飛騨の食文化を地元のスーパーマーケットとして伝え貢献していくために

 第4ステップは、本来の流通BMSである「スマクラ for BMS」の導入だ。第1ステップでレガシーEDIを先行導入した取引先に対し案内をして14年2月1日より稼働を予定している。また、第2ステップでWeb-EDIの導入を見送った取引先、および新たに流通BMSへの接続を希望する取引先に対して導入を進め、14年6月から稼働を開始する予定だ。

 

 現時点で道半ばだが、EDIの導入効果はすでに現れている。まず、今まで13万行あった伝票入力は第1ステップが稼働した時点で約5割の削減が実現した。14年6月に第4ステップが終了する段階では、全体の8割の伝票削減を実現させる予定だ。また、出荷データを受信することによる伝票データ入力の工数および修正工数の削減も実現している。

「工数削減の結果、今まで2人で作業していた事務作業は、1人で済むようになりました。手の空いた事務員は、急激に伸びているインターネット販売の担当に回り、現在は販売力の強化に注力しています」(佐藤氏)

 

 ファミリーストアさとうでは、14年はEDI化を本格的に進めていく年になる。14年1月15日には、全取引先に向けてEDI取引先説明会を開催。ルートセールス型の取引先に対して、積極的な参加をお願いするとともに、すべての取引先に向けて、EDIの導入を本格化していくことを宣言した。EDIの名称もすべて「さとう朝市ネット」に統一し、取引先を含めた全員で導入を推進していくことを呼びかけている。

 

 高齢化と人口減が続き、大型店やドラッグストアの出店が相次ぐなど、地方のスーパーを取り囲む環境は厳しい。お客様のニーズの変化や行動パターンの変化が加速する中、「何が」ではなく「何をしているか」が他社との差別化になると語る佐藤氏は、人間力、商品力、収益力の3つが重要と捉え、飛騨の食文化を伝承していく考えだ。最後にスマクラの導入に関して、次のような感想を寄せた。

「SCSKのような大手のITベンダーが、地方の小規模スーパーを相手にしてくれるとは思いもよりませんでした。当初は、コスト面やシステム導入面で、大きな壁があると恐れていたものの、実際にやってみるとそんな心配も杞憂に終わった気がしています。今まで怖いもの知らずの気持ちで進めてきましたが、お取引先様のために役に立ちたいという強い思いさえ持っていれば、どんなことでもできると改めて実感しました」

「飛騨高山の人気食材をスーパー価格で全国発送」のファミリーストアさとうのネットスーパー

( http://www.takayamasatou.com/ )