【SCSK】ファミリーストアさとう タブレット(iPad)を使ったスマクラを導入し 増大していた手書き伝票の入力を8割削減 Page2

2014.2.07

株式会社ファミリーストアさとう
代表取締役 社長

佐藤 祐介 氏

佐藤 祐介 氏

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 岐阜県高山市で5店舗の食品スーパーを展開するファミリーストアさとう。地域に愛されるご当地スーパーとして飛騨の特産品を数多く揃え、地元住民の食生活を支えている。同社はそれまでほとんどの受発注を手書き伝票で行ってきたが、新店舗の出店で入力作業に限界を感じた。
 そこで、2013年よりスマクラの導入を開始し、流通BMSへの切り替えを進めている。スマクラ導入に至る経緯と今後の取り組みについて、代表取締役社長の佐藤祐介氏に話を聞いた。また、サービスの提供事業者であるSCSKの江南哲氏には、その概要について語ってもらった。

 

既存のフローを見直して分類し、無理のない段階的な導入を開始

 スマクラの導入は13年4月から着手したが、待ち受けていたのは、プロジェクトチーム作りというハードルだった。同社規模のスーパーでは、システム関連に明るい担当者が存在しているわけではない。そこで佐藤氏が自らプロジェクトリーダーとなり、仕入、販促、店舗などそれぞれの業務部門からメンバーを選任し、一体となって取り組むチームを発足させた。

同社でカバーできないシステム面は、SCSKが全面的にバックアップし、基幹システムの導入・運用ベンダーである中部テラオカと寺岡精工とも連携を取り、それぞれの役割を明確にすることで、円滑な計画遂行を目指した。

 

 

 

 プロジェクト開始にあたり、最初に行った作業が既存のフローの見直しだ。同社の取引先は、大手のメーカーから、地場の食品加工メーカー、卸売事業者、個人の生産者まで約120にのぼるが、発注・納品形態はいくつかに分かれている。大手のメーカーや卸売業者とは、バックヤードに並んだハンディ・ターミナルを使って各店舗から取引先ごとにEOS発注を実施していたほか、特売品や大量発注品などは、電話やFAXでも発注を行っていた。

 

 さらに、地場のスーパーならではの大きな特徴に、漬け物や豆腐加工食品など地場の加工食品を扱うメーカーが自ら店舗に商品を置いていく「ルートセールス型」の納品がある。ルートセールス型とは、店舗からは商品を発注せず、メーカーが売りたい商品を店舗に当日搬入し、あらかじめ割り振られた棚に売りたい数量だけ並べていく昔ながらの方式だ。納品伝票はメーカーの担当者が手書きで記載して置いて帰るだけで、店舗のスタッフは発注から納品までいっさい関与しない。つまり、店舗からの「発注」は存在しない特殊な取引となる。

 

 このように複数の受発注形態を持つ同社はまず、業務フローごとに取引先を4つのグループ分け、段階的に導入することを決定した。

 

 13年11月に開始した第1ステップは、それまでも個別方式でEDI取引を行いながらも、大量の手書き納品伝票が残っていた比較的大規模な取引先5社をターゲットに設定。JCA手順のまま「スマクラ for レガシー」に切り替えて標準化し、それまでの納品伝票や通常発注後のイレギュラー対応は、「出荷データ」とすることで納品に関わる紙伝票は原則廃止した。

 

 第2ステップは、主に中堅取引先を想定し、インターネットにつながるPCがあればすぐに導入できる「スマクラ for Web」を採用。第1ステップと同様に、発注と出荷をデータ化した。13年12月から4社が稼働を開始し、3社は準備が整い次第切り替える予定としている。

 

 EDIを正しく稼働させるためには、正しい商品マスターを基幹システムに登録し、スマクラ間で連携させることが不可欠だ。しかし、同社はそれまで発注業務としてのマスターは存在していなかったことから、新たに基幹システムで商品マスターを整備する作業が発生した。佐藤氏は「ゼロから商品マスターを作るとなると、膨大な作業が発生するだろうと予想していました。ところが、取引先が協力的であったことと、システムに詳しい中部テラオカおよび寺岡精工に取引先とのパイプ役になっていただいたことで、想像以上にスムーズに進みました」と振り返る。