【たまや】 ASP型で開発負荷をかけることなく流通BMSに対応し、業務拡大を大幅に向上

2011.6.01

株式会社たまや
管理部 情報室チーフ

吉川 敏博 氏

管理部 情報室

府川 亜希子 氏

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 神奈川県の茅ヶ崎エリアを中心に9つのスーパーマーケットを運営する株式会社たまや。全国の中堅・中小スーパーマーケットが加盟するCGCグループの一員である同社は、グループがASP型として提供するスーパーマーケット業務支援システム「みんなのCGCシステム」の導入に合わせて流通BMSに本格対応。約半数の取引先と「発注」「出荷確定」「受領返品」「請求」「支払」の5つをデータ交換することにより、業務のスピードアップ、伝票入力の負荷軽減、伝票レスなどを実現した。

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CGCグループが提供するASP型の「みんなのCGCシステム」を導入

 1912年(大正元年)に神奈川県茅ヶ崎市で創業し、以来約100年にわたって地元密着で営業を続けるたまや。現在、茅ヶ崎、平塚、横浜の3地区で合計9店舗を展開、売上高は約130億円(2010年度実績)に達する。CGCグループに加盟する同社は、グローサリー商品に関してはグループのスケールメリットを生かした低価格販売を展開。生鮮食料品については、神奈川県の地場の商品販売に注力することでオリジナリティーを発揮し、地元消費者の期待と要望に応えている。

 

 同社では、10年ほど前からEDIを導入し、JCA手順による発注業務を行っていた。全取引先約270社中、約220社とは「発注」と「出荷確定」のメッセージをEDIによってデータ交換。EDI化していない生鮮食料品関係の業者や、規模の小さなメーカー・卸売業者とは、FAXによって伝票をやり取りしていた。

 

 こうした状況の中、たまやはCGCグループが流通BMSの展開を本格化した2008年から流通BMSの導入を検討。本部システムを、CGCグループが提供するASP型の「みんなのCGCシステム」に切り替えるタイミングで、流通BMSの本格導入に踏み切った。

 管理部情報室チーフの吉川敏博氏は「将来的に、多くの取引先が流通BMSに切り替わっていくことを考えるなら、できる限り早く対応を進めることが、後々のメリットになると考えました。経営トップが、流通BMSの推進に積極的だったこともあり、導入はトップの強いリーダーシップのもとでスムーズに進みました」と振り返る。

 

バイヤーを巻き込むことで接続先の早期導入を推進

 流通BMSの導入に際し、取引先を一同に集めて説明会を開催する企業は多いが、たまやでは取引先ごとに説明を繰り返すことで理解を求めたという。吉川氏は「当社の場合、流通BMSへの対応を依頼する取引先は、パンメーカーや豆腐屋など15社程度でしたので、すべての取引先に声をかけて合同説明会を開催するより、個別にお話するほうが効率的と考えました。CGCグループに加盟している当社にとって、CGCセンターを通して取り引きしている約200のメーカー・卸売業者と一括してデータ交換ができるメリットは大きいと思います」と説明する。
 取引先に流通BMSへの対応を呼びかけるにあたり、バイヤーの後押しも効果的だったという。同社では自社で取引先に流通BMSへの対応を依頼することと並行しながら、バイヤーの営業担当から取引先に対して流通BMSの導入効果を説明してもらう2つのルートを用意し、速やかな対応を実現した。

 

 また、ASP型のサービスを利用したことで、システム構築の工数が圧倒的に少なく、導入もわずか2カ月で終了している。
 「10年前に自社でEDIを導入した経験とノウハウが生き、大きな苦労もなくスムーズに導入できました。ASP型を利用すれば、データの設定関連もすべて開発元に委託できるので、複雑な手間がかかることもありません」(吉川氏)

 

「発注」「出荷確定」「受領返品」「請求」「支払」のデータ交換により業務効率が向上

 現在、同社が流通BMSによってデータ交換をしている接続先は、従来からEDIでやり取りしてきた約220社で、一部の取引先とは独自のEDI形式によるデータ交換を継続している。流通BMSによってデータ交換しているメッセージは、発注、出荷確定、受領返品、請求、支払の5つ。受領返品、請求、支払の3つが新たにEDI化されたことで、業務効率は大幅に向上した。
 吉川氏は「従来、取引先から支払伝票を受け取ると、社員が手作業で入力して照合していましたが、流通BMSによるデータ交換が実現したことで、今までより約1日早く粗利が確定できます。その結果、さまざまな情報も以前より早く把握できるようになり、売り上げ向上に向けた新たな施策を本部が打ち出したり、販売部門が努力目標を再設定したりする頻度が増えました」と説明する。
また、請求情報がデータ化されたことで、入力後の確認作業も省力化され、業務時間の短縮につながっている。

 

 さらに伝票入力の手間も削減され、事務作業の負荷は大幅に減った。「従来は、2、3人の正社員がフルタイムで伝票入力作業に対応していました。現在は4人のパート社員が半日のローテションを組みながら入力しているので、作業量は約半分に削減されています。また、伝票が減ったことで、ペーパーレス化の動きも確実に進んでいます」と府川氏。

 

 同社は今後、流通BMSによる接続先を増やし、最終的には生鮮食料品まで拡大する考えを明らかにしている。最後に流通BMSの導入を検討しているスーパーに対して吉川氏は「CGCグループ加盟店なら、ASP型を採用することで、提供事業者から導入のアドバイスが受けられます。自社でシステムを運用する手間も省けるので、メリットは大きいと思います。流通BMSを導入するのであれば、グループの資産は積極的に活用するべきです」と語った。

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