【キシショッピングセンター】 新EDIシステムに流通BMSを採用 発注業務の改善とタイムリーな粗利の確定が実現

2010.9.01

株式会社キシショッピングセンター

代表取締役 岸 弓乃 氏

代表取締役 岸 弓乃 氏

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 愛知県一宮市を中心にスーパーマーケットを5店舗展開しているキシショッピングセンター。同社は、10年ほど前よりEDIを取り入れていたが、百数十社ある取引先とのEOS化率は低く、業務の効率化につながらないという課題を抱えていた。そこで2008年より、新EDIシステムの検討を開始、受発注から決済に至るEDIシステムの実現を目指した。この一環で、EDIの手段として流通BMSの採用を決定した。現在では、40社が流通BMSでの取引へと移行し、発注業務の大幅な改善、タイムリーな粗利の確定といった効果を上げている。同社代表取締役の岸弓乃 氏と取締役専務 水野實 氏に話を聞いた。

発注業務の効率化を目指し新EDIシステムの導入を検討

 キシショッピングセンターは1974年に創業し、愛知県一宮市を中心に5店舗を展開するスーパーマーケット。「自己・顧客・会社のより大きな夢を実現し、共に成長するために行動し続ける」を経営理念として順調に業容を拡大、現在は従業員数300名(パート・アルバイト含む)、売り上げ高は約80億円である。

 

 同社では、10年ほど前より既にEDIを取り入れてJCA手順による発注業務を行っていたが、数年前まで百数十社ある取引先の中でEOS化はわずか5社にとどまっていた。EOS化されていない取引先への発注では、商品一覧を打ち出して、実際に棚を見て発注数を入れていく必要があるが、商品一覧と商品陳列の順番が違うため、その確認も負担であった。また商品ごとに卸が異なり、帳合先が入り混じっているため、それぞれの卸ごとに手書きで転記してFAX送信するという人手に頼った複雑な処理を強いられていたという。

 

 「やはりこうした処理を行っていると時間がかかりますし、転記の際に間違いが発生します。また、そのFAXを受信した取引先でも発注数量を間違って入力したなどというケースもありました。このように処理が複雑なため、ベテランの店員でないと発注業務ができず、もし、その人が退職してしまうと、たちまち現場が混乱して業務に支障を来たすことにもなりかねませんでした」と岸社長は振り返る。

 

 続けて岸社長は、「最大の問題は、粗利の確定までに時間が掛かり過ぎることでした」と語る。

 

 従来は、月次の売り上げを計上し、伝票が揃ってから10日後にようやく粗利が出せるという状態であった。これでは、どの商品がどのくらい売れているのかがリアルタイムでは分からず、即時に対応することは不可能だった。しかも、揃ったはずの伝票も後からパラパラと出て来ることもあるため、正確さに欠けることも問題となっていた。「やはり、こうした状況が続くようでは、経営のスピード、的確な判断という観点からも問題です。これらの改善を目指して、2008年秋に新しいEDIシステムの検討を開始しました」

 

流通BMSの説明会に全取引先が参

水野 實 氏 新EDIシステムの導入に当たっては、複数のシステムインテグレーター(SIer)の提案を検討。特に重視したのは、将来も継続して使い続けられるものであり、現場の要望にいかに応えてくれるシステムであるかであったという。

 

 「あるSIerさんの提案は、Web-EDIを採用するものでしたが、われわれからするとあまりにシステム主導の提案であり、これでは現場の使い勝手などにも影響してしまうと思いました。これに対し、当社が採用を決めたSIerさんの提案は現場に分かりやすい言葉で丁寧に説明を行ってくれました。また、EDIに流通BMSを採用するもので、今後は流通業界の標準フォーマットとなるものなので、お取引先さんにもシステム開発で余計な負担を掛けずに済むことも魅力でした」と水野専務は語る。

 

 同社では、2009年9月にプロジェクトを立ち上げて、新EDIシステムのシステム構築をスタートした。一般に、あまり規模の大きくない小売りでは、システムを自社で持たずに運用をアウトソーシングするASP型を採用するケースが多い。だが、以前より基幹システムの自主運用を行っており、同社は別会社でインターネット・プロバイダー事業を展開していた経験もあり、豊富なノウハウを持つことから、自前でのサーバー構築・運用を選択した。

 

 流通BMSを採用する新EDIシステムは、2010年3月にカットオーバーしたが、それに先立つ09年12月に取引先を集めて説明会を開催している。「説明会には、百数十社すべてのお取引先が欠席することなく参加しています。このことからも流通BMSに対する期待の大きさと関心の高さを感じました。もちろん、説明会の反応や流通BMSに対する理解度は個々の企業で異なりますが、自分達にとっても十分にメリットがあることを理解していただけたと思います」と岸社長。

 

 さらに自社に向けても、実際にシステムを使う現場への説明には十分な時間を掛けて理解を図った。最初は戸惑いがあったが、まず流通BMSの導入の最大の目的が「粗利の素早い確定のため」である点を強調し、SIerとの打ち合わせでも、現場の担当者を同席させて課題を共有。要望を聞いて、実際に使用する画面イメージなどの詳細を煮詰めていった。「5店舗以下の中小スーパーでは、パートさんまで含めた全社の情報共有が不可欠で、ここに一番時間をかけるべきだ」と岸氏は語る。