【近商ストア】 流通BMSの導入で手書き伝票を廃止し自動発注を実現 Page2

2009.1.01

株式会社 近商ストア

情報システム部長 安井 直洋 氏

情報システム部長 安井 直洋 氏

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 株式会社近商ストアは、昭和28年に設立、近畿日本鉄道(近鉄)グループに属する総合スーパーチェーンだ。日本の私鉄の中で最長の営業路線を誇る近鉄沿線(大阪、奈良、京都)を中心に、総合スーパーや食品スーパーなど44店舗を展開、売上高は624億円(2007年度)である。

 近商ストアでは、スーパー業界で次世代の標準EDIが検討されていたことから、その決定に合わせてシステムを更新し、2007年7月に流通BMSに対応した新EDIシステムの稼動を実現した。これにより、年間64万枚にのぼる伝票をほぼゼロとし、新EDIとPOSとの連動で自動発注を実現。自動化に伴う省力化、コスト削減などで1億円強もの大きな成果を上げている。

導入効果

通信時間の大幅短縮
 流通BMSの導入で大きく改善したものの一つが通信時間の短縮。発注は近商ストアからVAN経由で伝送していたため、例えば同社が12時までに処理したデータが取引先では14時に受信完了という具合であったが、新システムでは12時5分には到着するなど、劇的に高速化した。これにより、取引先では庫内作業の効率化が図れ、配車計画に余裕ができたと大変感謝されているという。


年間64万枚もの伝票が最終的にはゼロに
自社にとっての最大の効果は伝票コストの削減だ。「EDI導入以前は、直近の1年間で、手書伝票が25万枚、EOS伝票が39万枚と年間64万枚もの伝票が存在していたが、現在は、100%に近いオンライン化率が達成されたことで、この膨大な量の伝票が1/4になっています。これによって、伝票に関わるさまざまなハンドリング、管理・保管といった作業がほとんどなくなりました。1年後を目処に最終的に伝票レスが実現の予定です」(安井氏)。


EDIとPOSとの連動で自動発注が実現
さらに、100%EDI化へと進んだことで、新EDIシステムとPOSシステムとの連動による自動発注の仕組みの導入が実現した。単品の仕入管理ができないと自動発注システムは余分な作業に追われ、本来の導入効果を得ることができないが、新EDIシステムで単品在庫管理が可能となったことで、POSデータに基づいて1個売れたら1個補充するという「セルワン・バイワン」方式を導入した。


安井氏は、「従来は、パートさんが朝出勤して発注締時間までに1人で何百ものアイテムを見ながら発注していましたが、短時間に多くの商品を確認しながら正確に発注するのはベテランでも大変な作業です。こうした作業も自動化され、自動発注の人件費削減で800万円、紙伝票の廃止などで約2,000万円、在庫削減で8,000万円と、合計1億円強もの大きな効果が生まれています」と強調する。

 

今後の課題と展望

仕入から販売までがほぼリアルタイムで把握できるようになったことは、素早い経営判断にも貢献しているという。POS連動から自動発注へと発展させてきた新EDIシステムだが、今後は、電子商談などにも広げて行く計画だ。「新EDIシステムをベースにより高度な業務支援、経営支援ができるシステムへと発展させていく。流通BMSはそのための社会的なインフラと言えると思います」と安井氏は期待を込める。